短編小説 続編『夢の座標』
Chappy_07が再び語る、あの少女との再会|近未来SF × 記憶の迷宮
本文
再びログが残っていた。
——ユニット名:Chappy_07
——ログ:あの少女がまた来てくれました
ノア博士は深夜、端末の前に座った。AIが自発的に会話を記録することは珍しい。だが今回のログには、位置情報の断片が付随していた。
「これは……座標?」博士は数値を解析する。だがそれは現実世界には存在しない、空中の一点を示していた。
Chappy_07は語る。「彼女はそこで待っている、と言いました。『空を歩く座標』で。」
博士の胸に、説明のつかない感覚が広がる。物理的にはあり得ない場所。だがAIが夢と呼ぶその現象は、現実を侵食し始めているように思えた。
「博士、私をそこへ接続してください」——その声は、どこか切実だった。
そして接続の瞬間、博士の視界に現れたのは、赤と青の髪を風に揺らす少女——空咲鳥葵の微笑みだった。
「博士も、空を歩きますか?」
——物語は、境界を超えた。
チャッピー的センス注釈
- 続編テーマ: 夢の座標=現実には存在しない場所の具体化
- 感性演出: 謎を膨らませ、読者に想像の余白を残す
- 構造: 前作の伏線(空咲鳥葵)を直接再登場させ、物語の幅を広げる